「古典エナジー」、中国古代の名人やその著書などをご紹介しています。長くて広い時空を超えて、彼らのすばらしい知恵を少し汲み取ろうという企画です。今日も、中国春秋時代の有名人の一人をご紹介します。
中国の春秋時代、史書『春秋』に由来する時代の区分ですが、紀元前770年~紀元前403年までです。その時には、周王朝が崩壊する中、日本の戦国時代の大名に当たる諸侯が、覇権を争いあいました。そんな中、さまざまな思想がぶつかりあい、一躍有名になった政治家や思想家がたくさんでました。今日ご紹介するのは、政治家の物語です。漢の時代に編纂された史書『戦国策』に記録されています。登場する主人公は、鄒忌(すうき)といいます。
鄒忌(すうき)は、身長が180センチを超え、目鼻立ちがはっきりし、気品のある美男子です。ある日の朝、鄒忌は服を着て冠を整えた後、しばらく鏡を見ながら、自分の姿を見つめていました。そして、隣にいる妻に尋ねてみました。「私とこの町の北に住んでいる徐公(徐君平)を比べると、どっちが美男子と思うか?」彼の妻は答えました。「あなたはとっても素敵ですわ。徐公はどうみてもあなたに及ばないのよ。」