By whenis , 22 12月, 2010

前項「社会人中国留学のための中国語学習プラン実践編 「発音を身につけろ!」」では中国語の習得において最も重要となる発音の学習プランについて考えてみました。

その中で最後に次のように述べました。

発音が軌道に乗るまでの間、コマギレ時間はリスニングは控えめにして、文法書を通読しておく方がよいでしょう。

文法ばかり先行してしまうと文法頭でっかちになって会話学習の障害になるのでは、という心配をされる方がいるかもしれませんが、会話力と文法知識の関係は割り切りが肝心なだけで、文法的知識が会話能力の足を引っ張ることはありません。

成人後の外国語習得における文法の重要性を考えれば、文法書を通読しておくのは何かと有用なのです。

本項はこの「成人後の外国語習得における文法の重要性」について考えてみたいと思います。

文法なんか必要ない?
文法は語学界の嫌われ者です。「日本人が6年も英語を勉強してるのに満足に日常会話すらできないのは文法ばかり勉強しているせいだ。現に文法の勉強をやめたら話せるようになった学生がいっぱいいる」なんて感じで徹底的に排除されています。

By whenis , 21 12月, 2010

前項「社会人中国留学のための中国語学習プラン実践編 「テキスト選び」」では社会人の中国語学習プランにおけるテキスト選びについて考えてみました。

本項ではこれに基づいた学習プランについて考えてみたいと思います。

発音の完全独学は事実上不可能

中国語の学習、というかこれは外国語の学習において等しくそうなのでしょうが、すべては発音の学習から始まります。

中国語の習得において発音習得が重要なポイントになることは広く知られていることで、私も「中国語学習法」の中で繰り返し解説してきたので、理論的な話はここでは割愛させていただきます。

詳しくは「中国語学習法」をご参照ください。

本連載の主題は学習プランの設計なので、この主題に基づいて話を進めていきましょう。

中国語の発音学習を始めるに当たって一つ重要な事実を先に申し上げます。それは「発音の完全独学は事実上不可能」であることです。

By whenis , 20 12月, 2010

前項「ビジネスマングループの留学術」に引き続きビジネスマングループの中国留学の「時・形態・期間」について話を進めます。本項からは大学在学組についての考察です。

大学生は時間的に自由な存在です。文理の差こそありますが、時間的に完全拘束を受けるサラリーマンとは天地の差ほどの開きがあると言ってもいいでしょう。

アタマの年齢も若いので、その気になれば中国語ぐらい留学しなくても身につくのですが、それではこの稿そのものが成り立たない(笑)ので、あくまでも留学を前提とした中国語プランと留学のタイミングについて考えてみたいと思います。

留学のタイミング

留学のタイミングは長期・短期によってまちまちですが、大学生がよく選択する一年の長期留学を前提として考えるならば、中国語を始めてから2年後ぐらいがちょうどよいのではないでしょうか。

留学の効果を最大のものにするためには国内で一定の中国語力をつけておく必要があります。留学で最も時間的効果が低いのは留学先でゼロからスタートすること。少なくとも発音については日本国内で、正確な発音方法をマスターしている日本人講師について学ぶのが理想です。

By whenis , 19 12月, 2010

中国に留学すれば中国語は簡単にマスターできると思い込んでいる方が少なくないようですが、これはとんでもない勘違いです。

もし「中国語マスター」=「簡単な日常会話はペラペラ」と考えているのであれば間違いはないのですが、中国留学するような人が日常会話レベルをマスターできれば良しとしているとは考え難いので、やはり勘違いとしか言いようがないと思います。

「ネイティブは......」は通じない

この勘違いの根底にあるのは一部英会話スクールが垂れ流した「ネイティブ信仰」かもしれません。例の「ネイティブは文法なんて勉強しな~い。」というやつです。

確かにネイティブスピーカーは文法を学ぶ前の段階で簡単な会話をマスターします。これには間違いありません。しかし、これは

By whenis , 18 12月, 2010

前項では「さまよえる中級」と称される中級立ち止まり現象を打破するためのテキスト多様化策として中国映画・ドラマの活用法について考えてみました。

本項では、映画ドラマよりももっと手軽に利用できる「歌」を利用した学習方法について考えてみたいと思います。

「ラクラク」歌テキスト

歌を外国語学習に利用する方法は特に目新しいものではなく、かなり昔から広く利用されています。

中国語の歌を利用した中国語テキストも市販されている他、中華圏インターネットでは簡単にPOPSのMP3ファイルが手に入るということで、中国語の歌を中国語学習テキストとして利用する方法を紹介しているWEBサイトも少なくありません。

中国語の歌を学習に利用する利点についてはそれらサイトでも指摘されていますが、何といっても「楽」なこと。歌はもともと娯楽ですから、たとえお勉強の材料であったとしても、「苦」になることはないでしょう。

また、歌は繰り返し聴くものですから、通常のテキストでは何かとおろそかになりがちな復習も自然に行うことができます。何度も聴いていれば歌詞だって知らず知らずのうちに覚えてしまいます。

By whenis , 17 12月, 2010

リスニングや会話に比べ軽視されがちなライティング。しかしながら、文法知識を骨肉化するのに最も有効なのがライティングこと作文なのです。

作文は会話とは異なり、じっくりと文法語法的正誤を考慮しながら中国語表現を作ることができます。書き上げた後繰り返し推敲することができますし、添削する側としても一瞬で消えてゆく会話とは異なり文法語法的におかしいところが一目瞭然となりますから、細かい部分まで表現の正誤を確認し、添削することができます。

文法テキストで文法的知識を学んだ後は是非ライティングで文法の骨肉化を進めてください。これが一体になって初めて文法テキストで文法的知識を頭に叩き込んだ価値が出てきます。語学は使えてナンボな世界、知っているだけではたいして意味はないのです。

骨肉化した文法は無意識のレベルで機能します。このレベルになって初めて「文法的に正確な」会話表現をすることができるようになります。

By whenis , 16 12月, 2010

初級修了レベルになると学習の選択に幅が出てきます。実戦が迫っている学習者は即戦力育成のため会話学習に重点を置けば良いでしょう。逆に腰を落ち着けて勉強できる学習者はボキャビルと同時にリスニングと文法を徹底して行うことをおすすめします。

もともと中国語の入門初級テキストは会話重視の作りになっていますので、普通に勉強しているだけでも、リスニングについてはそこそこやっているものです。

一方で文法は学校英語の文法漬けによって文法アレルギーを患ったか、或いは「ネイティブは文法をやらない」という某英会話スクールの宣伝文句に影響されたかわかりませんが、妙に文法を避けている人もちらほらといます。

そんな人たちを見ていると、正直「本当にもったいないなぁ」と思います。5歳から中国語を始める、とかいう場合なら話は別ですが。

文法は私たち大人の語学にとってはなくてはならないものです。成人の強みはなんと言ってもその論理的思考力。文法は言葉を論理的に説明し、理論的に理解させてくれる、正に大人の語学のための学習ツールなんです。

By whenis , 15 12月, 2010

歇後語とはその名のとおり「後」(後ろ)を「歇」(やめる.中止する.停止する)する言葉で、前半から後半の内容を推測し、理解することができる、日本語の「しゃれことば」に相当する一種の言葉遊びです。

日本語のしゃれことばは特に大阪を中心に明治のころまで盛んに使われていたようですが、現在ではほとんど耳にすることはなくなりましたが、一方で中国語のしゃれことばこと「歇後語」は現在に至るまで、口語文章語を問わず、一種の修辞技法として盛んに使われ続けており、且つ毎日無数の歇後語が中国の津々浦々で生産されています。

その多くは生活に密着したもので、ユーモアと機智に富むのが最大の特徴です。

By whenis , 14 12月, 2010

本項では、『中国語レベル学習項目重要度対応一覧表』における「ライティング」の項目について解説します。表の見方は『中国語レベル学習項目重要度対応一覧表』をご参照ください。

ライティング
※記号の意味(重要度は数字が多いほどが重要度が増します。)
▽:重要度1
△:重要度2
◇:重要度3
◎:重要度4
☆:重要度5
※同じ級の枠の中でも右に行けば行くほど中国語のレベルが高くなります。
※入門修了は中検準四級合格レベル、初級修了は中検三級合格レベル、中級修了レベルは中検準一級、HSK8級合格レベルが目安。
入門 初級 中級 上級
ライティング ▽▽ ▽▽▽△△△ ◇◇◇◇◎◎◎◎ ☆☆☆☆☆☆☆☆

→→→→→→→ 中国語力は右に向かって高くなる →→→→→→

語学において、往々にして最も後回しにされるのがライティングです。まずは会話、そしてリスニングに視線が集まり、その後リーディング、そして最後にライティング......一般にはこんな感じですか。

By whenis , 13 12月, 2010

本項では、『中国語レベル学習項目重要度対応一覧表』における「リーディング」の項目について解説します。表の見方は『中国語レベル学習項目重要度対応一覧表』をご参照ください。

リーディング
※記号の意味(重要度は数字が多いほどが重要度が増します。)
▽:重要度1
△:重要度2
◇:重要度3
◎:重要度4
☆:重要度5
※同じ級の枠の中でも右に行けば行くほど中国語のレベルが高くなります。
※入門終了は中検準四級合格レベル、初級終了は中検三級合格レベル、中級終了レベルは中検準一級、HSK8級合格レベルが目安。
入門 初級 中級 上級
リーディング ▽▽ ▽▽△△◇◇ ◇◇◎◎◎◎◎◎ ◎◎◎◎◎◎◎◎

→→→→→→→ 中国語力は右に向かって高くなる →→→→→→

日本人中国語学習者にとって、最も特殊な項目なのがリーディングです。

その特殊性は、日本語と中国語が文字として多くの漢字を共有しているところに由来します。このため、日本語を母語とする日本人にとって、漢字で表記される中国語のリーディングは、その他諸外国語に比べ容易になります。