By whenis , 14 3月, 2018

憲法改正に合わせる形で立ち上げられた、中国全国の党機関・政府機関を対象に監察を行う組織です。これまでと違うのは、この監察委員会は共産党や政府に属さない国家監督機関となることです。

 憲法改正にあたり、党中央委員会から出された「中国共産党中央委員会による憲法の一部内容の修正に関する意見」は、合計21項目の修正意見からなり、その中で「監察」に言及したものはなんと11項目にも上り、その中で、 新しくこの「監察委員会」の設置が提案されています。ちなみに、2月25日の時点で、既に全国31の省・直轄市・自治区において、早速三つのレベルの監察委員会が立ち上げられ、監察体制の整備に向けた取り組みがスタートしています。

 今回の監察体制改革の起草に参画した中国政法大学の馬懐徳副学長の話によりますと、国家監察委員会は党の機関ではなく、党の機関と協力して作業を進める機関であるとされ、かと言って政府の機関でもなく、政府から独立して、政府と平行する機関として設立されるとしています。こうすることで、国家全体を監督する機関としての立ち位置を作っているのです。そして、この機関の設置は重要な行政改革の一部で、政府や裁判所、検察機関の活動をも監察する機能があります。

By whenis , 11 3月, 2018

「修宪」は「修订宪法」の省略形で、憲法改正を意味します。先日5日開幕した全人代(全国人民代表大会)では、憲法改正の議論が行われています。

 現行の憲法は中華人民共和国にとって第四版に当たる憲法で、1982年12月4日、第五回全人代で採択され公布されたものです。公布から現在に至るまでに1988年、1993年、1999年、そして2004年と四回の改正を経ていますので、今回は五回目の改正に当たります。

 中華人民共和国は1949年に建国され、初めての憲法は1954年に公布されたもので、その後は1975年、また1978年、そして1982年にと、それぞれ新たなバージョンを発表してきました。

 今回の改正の理由については、中国共産党の党規約の改正と同じように、これから中国が「新時代」を迎えるにあたり、改革を断行していくことを方針化したものとなっています。今回の憲法改正は、そうした改革の必要に合わせたものになります。

 時代の変化に合わせて一つの国が動き出す姿を、私たちはこの目で目撃していることになりますね。

By whenis , 10 3月, 2018

「编制」は動詞として用いる場合、編む、編成する、制定する、立案する、作成する、編集するなどの意味がありますが、名詞の場合、広義と狭義でちょっと違った意味合いがあります。

 広義の「编制」は各種機関の部門設置基準、並びにその定員、部門構造と職務職権の割り当てを指します。一方、狭義の「编制」は主として政府事業セクターの「正規雇用採用枠」を指します。国家組織の機能を成り立たせるために、政府やその関連機関や関連部門をはじめとし、特に国家予算で事業を運営する団体、組織、部門、部署内部の定員、構成比率及びポストの枠を指す言葉がこの编制な訳です。もっと簡単にいうと、国の予算で賄う範囲に属する人々の採用枠といえば良いでしょうか。日本でも、国の人事部門が管理する公務員やそれに準ずる待遇の人もいれば、それぞれの組織で雇用された契約スタッフもいるように、この编制に似た制度が存在しています。

By whenis , 8 3月, 2018

日本語で「両会議」と訳される「两会」は、中国で毎年3月に開かれる全国人民代表大会と中国政治協商会議のことを指した略語です。今回のキーワード「两会调查」は、中国共産党の機関紙である『人民日報』傘下の人民ネットが2001年から行ってきたアンケート調査で、両会議でどんな内容を議論してほしいかについて一般ユーザーに聞くものです。今年は初めて民間のニュースアプリ「今日頭条」を唯一のスマホプラットフォームとして指定し、2月8日にローンチしました。2月27日午後3時現在でアンケートに答えたネット利用者は421万2368人に達しているということです。

 今回のアンケートには18の選択肢が用意され、中でも、腐敗取締、社会保障、教育の公平さ、医療改革、貧困扶助、居住制度、改革開放、金融リスク、就職収入、法に基づく国家管理が関心事のトップ10に並びました。

By whenis , 7 3月, 2018

「节后用工荒」の「节后」と同様に、この「节后」も春節後の意味です。「缩水」は(洋服の生地が)縮むという意味。「节后缩水」は春節後、衣服が縮んだ・・・ように見えて実は、春節期間に太って、服が入らなくなった、という意味になります。

 中国では、春節の食卓には肉も魚がたーっぷりと並び、年始回りや親戚、友人、同級生などの集まりは、そのほとんどがそうしたご馳走を食べることから始まります。さらに、そうした環境で「食べない、飲まない」というスタンスを保つことにはかなりの難度を伴います。「付き合いがわるい」とか思われるリスクは、人付き合いの色々なところに響きますから、どうしても流れに呑まれてしまいがちです。その結果、むくむくと「発育」が進むわけです。

 さて、この縮水ですが、みんなが面白がってイメージを膨らませたことから、人間以外のところでも使われるようになっています。

By whenis , 6 3月, 2018

「节」はそもそも「节日」記念日、祝祭日の意味ですが、ここでは、特に春節を指します。「用工」は労働者を雇用するという意味で、「荒」はここでは不足、欠乏の意味で用いられていますが、これは何かの後に廃れる、荒廃する、というイメージで捉えるとわかりやすいかもしれません。そして、それらを組み合わせて「节后用工荒」として、「春節後の人手(労働力)不足」を指す言葉になります。

 北京などの大都市では、春節の少し前になると、特にサービス業や建築業に従事する出稼ぎの人が帰省してしまうために人手不足になるがよく知られていますが、その連休が過ぎてもなかなか彼らは北京に戻らず、この人手不足をひき起こします。

By whenis , 5 3月, 2018

楽山大仏は、凌雲大仏とも呼ばれています。世界最大の仏像だとされるこの大仏は中国四川省楽山市の南、岷江東岸の凌雲山にあり、大渡河、青衣江と岷江が合流する地点に臨み、山であり、仏像でもあり、3世代の職人が約90年かけて完成させたものです。

 楽山大仏は山を背に建造され、仏像の頭部が山頂と同じ高さとなり、両手が膝の上に置き、両足が河に踏む形となっており、均整のとれた体つきと厳かな表情を見せています。仏像の彫刻は細部に至るまで精巧そのもので、古代職人の知恵を感服させると同時に、畏敬の念を覚えさせます。

 「楽山大仏はスフィンクスやネイル河谷にある王家の谷など、世界の他の石刻と匹敵できる」、「こんなに奇妙な自然と文化の景観があるなんて不思議に思う」と、国連世界遺産委員会の上級顧問を務めるジム・サンセール博士は1996年に楽山大仏を見学した際にこのように語りました。彼の目から見た楽山大仏は世界に公認された著名な石刻芸術の逸品と匹敵できるものだということです。

By whenis , 4 3月, 2018

中国の著名な思想家、そして教育家、孔子。「孔子学院」の名をつけた学校が、世界各地に設けられ、いまなお、孔子は中国文化、中国語教育の先兵役を担っています。ふるさとは、山東省の曲阜で、ここでは毎年、盛大な孔子祭りが行われます。

 その孔子を祠り、最高教育の場となった所が北京にあります。「孔廟、国子監」と名づけられた博物館を紹介しましょう。場所は、地下鉄2号線の安定門駅から歩いて15分ほど、ラマ教の有名なお寺・雍和宮はすぐ近くにあります。  

国子監街という東西に走る古い道を捜してください。真ん中あたりに「国子監」と「成賢街」と書かれた鳥居のような門があります。中国では牌楼と呼んでいます。この鳥居に挟まれた部分が、「孔廟、国子監」というわけです。ところが、今は大規模修理の真最中で、建物はテントなどで覆われて中に入れません。近代になってからは、1930年代と50年代に続く三度目の大規模な工事で、来年の7月にすべてが終わります。

By whenis , 3 3月, 2018

就在那儿。

Jiù zài nàr.
すぐそこです
副詞“就”は、この場合距離の近さを強調して「(そんなに遠くなく)すぐそこですよ」というニュアンスを表しています。

不太远。

Bú tài yuǎn.
あまり遠くありません
“不太~”は「あまり~ではない」という意味です。“不”は第2声に声調変化します。

往右拐。

Wǎng yòu guǎi.
右に曲がります
同じ意味で、“向右拐Xiàng yòu guǎi”という言い方もします。

一直走。

By whenis , 2 3月, 2018

「春节」はの春節、旧正月です。「综合症」は症候群、シンドローム。これを合わせて「春节后综合症」として、春節後シンドローム、つまり、春節休暇後に出てくる色々な生理的・心理的異常を総称したものとなります。また、「春节综合症」や「年后综合症」とも言うことができます。「年后」の「年」は、ここでは新年、正月の意味となります。

 ちなみに、「节后综合症」という言葉もあります。ここでの「节」は春節に限らず、様々な祝日をさすものです。

 疲れやすい、元気が出ない、仕事や勉強の効率が落ちるなどの症状の他、原因不明の吐き気、眩暈、胃腸不良、不安、不眠と、全身の気が乱れている状態が引き起こす様々な症状が、この症候群には含まれます。

 正月期間中、夜通しで麻雀やゲームをしたり、こってりした料理を食べ過ぎたり、お酒を飲み過ぎたり、遠出で疲れたり・・・と、休み明けになると、心身ともに疲れ切っています。

 それに加え、賑やかな集まりから普段の一人ぼっちの生活に戻る不安からくる虚無感も重なり、様々な障害として現れるようです。

 ストレス源は、社会が進歩するほどに増えるものです。どの意味で、こうした症状は社会の進歩と発展のリバウンド現象でもあると言えるでしょう。