白居易 早冬
Submitted by whenis on Tue, 04/19/2016 - 21:03作者、白居易は日本でもよく知られた中唐の詩人。詩などの総数は約3800首と言われ唐代の詩人の中でも最多です。若い頃は、社会や政治を批判する作風でした。しかし、世界遺産でおなじみの廬山のふもと江州、現在の江西省九江市に左遷された後は、日常のささやかな喜びを詩にすることが多くなりました。この江州での役人のあと、中央に呼び戻されますがまもなく自ら地方の職を願い出て、杭州・蘇州に行きます。今回の詩は、その杭州でのものです。萋萋はあおあおとしたという意味。嫩樹は葉の柔らかい樹のこと。五馬は五頭立ての馬車のこと、身分が低いことを言っています。解りやすく、情景が思い浮かぶ作品は、晩年の白居易らしさがよく表れているように思います。閑そうな酔っ払いが羨ましいと言っていますが、小春日和の江南地方で目に映るものを次々と詩にできる才能こそ、羨ましいですよね。