経済関連の流行語 1
皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。
私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。
今年取り上げた新語の中から、利用頻度や影響力、生命力の強いものを再度取り上げます。
【内容创业】(nèiróng chuàng//yè)[名] コンテンツ起業
「内容」は内容、コンテンツ、「创业」は起業。広義のクオリティの高いコンテンツをコアにした起業行為はすべて「内容创业」と言えます。インターネット全盛のこの時代、アクセスが数百万回を超えた文章や動画コンテンツ、ライブ配信などは、プラットフォームや形式を問わず、その内容がマーケットを持つようになった時点が「内容创业」のスタートになります。
「内容创业」をするクリエイターたちが、コンテンツから収入を得る方法としては、主に、広告・Eコマース・サービスの3つのルートがあります。最も手っとり速いものとして、ネット広告があり、最も簡単なものとしてはEコマースプラットフォームと組んだ商品販売があります。また、そうしたコンテンツを媒介としてサービスを提供するビジネスは、最も付加価値があり、息の長いものになる傾向があるようです。
現在、ソーシャルメディア、O2Oに次いで、「内容创业」が投資家の熱い視線の的を浴びています。大雑把な統計によりますと、「微信(ウィーチャット)」が個人や企業の公式アカウント機能をリリースして以降、多くのファンを持つアカウントの中には、その価値が1千万元、1億元を超えるものもかなり出ているということです。そして、これらアカウントの中には、様々な個人や民間ファンドからの出資を受けることで、企業や組織へのモデルチェンジを遂げるケースも出てきています。
従来のマスコミと比べると、「内容创业」はコンテンツを生産するだけでなく、独自のビジネスモデルを築かなければならないのが特徴です。ある元CCTVアナウンサーの微信の公式アカウントのコンテンツに、彼が自らの声で子供向けの物語を朗読するというものがありました。最初は音声と文字だけの簡単なものでしたが、後からおもちゃや関連グッズ、それを聴く専門の機械も開発するなど、マーチャンダイズにも力を入れるようになっています。
[ひとこと]
これは、日本と違い、我々の想像を超えた様々な規模の市場が存在する中国ならではのエピソードと言えます。私(向田)も、様々な友人が「それ儲かるの?」と言うようなネットビジネスをしているのを見かけます。中国の広大な国土の中では、我々日本人の予想だにつかない生活環境や教育レベルの異なる人々のマーケットが存在しており、一回そのいずれかのマーケットを掴んでしまえば、非常に大きなビジネスにもなることもしばしばです。
【一线城市】(yīxiàn chéngshì)[名] ティア1、1級都市
全国的な政治活動や経済活動が執り行われるなど、中国の都市の中で重要な地位を持つ都市。その地位や能力は、主に都市の発展レベル、経済規模、影響力など各方面に表れ、生産、サービス、金融、イノベーション、流通など全国的な社会活動の中で牽引役を担ったり、周辺都市への波及効果をもつなど、主導的役割を果たします。
とはいえ、「一线城市」は不動産業界から広まった学術的ではないコンセプトで、そのレベル分けには公の基準が存在せず、「首都」などのように、常に固定された概念でもありません。それにも関わらず、マスコミや専門家が経済情勢を分析する時に多く使われることから、社会通念化していることばです。
2013年、経済誌の一つ『第一財経週刊』が、一連の経済、政治、学術リソースなどの指標によって、「新一线城市」のリストを作成しました。そこには、成都、杭州、南京、武漢、天津、西安、重慶、青島、瀋陽、長沙、大連、厦門、無錫、福州、済南などの発展の目覚ましい都市が多く入選しています。ほかにも、2017年の「都市商業魅力ランキング」では、新一線都市として、蘇州、鄭州、東莞(とうかん)、寧波などの有名どころもランクインしています。
[ひとこと]
さて、中国では、一般的に「一线城市」と言えば、北京、上海、広州、天津、深センなどの大都市を指します。実際に現地に行ってみると、「一线城市」とそうでない都市とは、(経済レベルからくるものかもしれませんが)、町の様子や人の表情などに様々な違いが感じられ、それぞれに違う風土を楽しむことができます
【野蛮生长】(yěmán shēngzhǎng)[名]なりふり構わぬ成長
「野蛮」には野蛮である、野放しである、文明的でない、未開であるという意味の他に、粗野である、荒々しい、乱暴であるなどの意味があります。「生长」は成長するという意味です。「野蛮生长」で秩序なくなりふり構わず成長する様を感じることができます。何にも縛られずに、力強く生きていくという感じで、いい意味にも悪い意味にも使われる中性的な言葉です。
[プラスの意味に使われている例]
不妨让新生事物野蛮生长。
新しい出来事については、しばらくの間はタガをはめず成長させても構わないだろう。
[マイナスの意味に使われている例]
用"规范"改变共享单车的"野蛮生长"。
ルールを定めることで、シェアリング自転車が無秩序に成長している現状を改善する。
[ひとこと]
新しいことはその最初の時期、無秩序な成長を見せることがよくあります。目も当てられない、と言って、そこにタガを嵌めてしまうと、良いポイントもなくなってしまう可能性があります。中国では、新しいことについては、まず当事者らにやらせてみて、成長の段階に応じて規則の整備を行い、軌道修正をするのが普通になっていますが、これもよりよい成長を導くための政府の知恵なのかもしれません。