中国の民族宗教―道教
Submitted by whenis on 星期三, 06/28/2017 - 06:22道教は中国の伝統文化の一部分である。それは儒教・仏教と補い合って中国の人々に信仰を強く与えている。かって学者たちは、中国が宗教の薄弱な国家であると考えていたが、これは誤解である。統治者が西洋の各国の教会よりさらに強大な宗教の力に頼らなければ、人口が多く国土の広大なこの大国で数千年に及ぶほど長い間中華文明が維持されたはずがない。
中国における所謂民族宗教といえるものとして紀元前二世紀頃発生した道教がある。また、紀元前一世紀にインドより渡来した仏教は中国の社会・宗教思想に深刻な影響を与え、ゾロアスター教、マニ教、景教、イスラーム教、キリスト教なども影響を与えた。
中国では、神々の意志は、一方的に自然や人間界の中に現れるのではなく、人間の行為のあり方が天地の状態が反映すると信じられていた。道徳的な行為を通して、人間は宇宙の創造に参加し、その運動に対し必須の責任を負うとされていたのである。中国のパンテオンの原像は祖先神と自然神の二つを柱とし、両者が至上神たる上帝により統合されるような構成を持っていた。